4月14日 令和7年度八幡平市メディテックバレーコンソーシアム」総会開催しました

2025年4月14日、岩手県八幡平市役所において、令和7年度の「八幡平市メディテックバレーコンソーシアム(以下、本コンソーシアム)」総会が開催されました。

本コンソーシアムは令和3年度から実施され、今年で最終年度の5年目を迎えております。今回の総会では、令和6年度の事業実績・収支決算報告と合わせて、令和7年度の事業計画(案)・収支予算(案)が発表されていましたのでご紹介します。

本コンソーシアムの設立経緯・抜粋

人口減少・高齢化という難問を抱える自治体に共通する【医療と福祉の持続可能性】に係る課題解決に向け、地元発の技術・サービスを活用した遠隔診療と遠隔見守り等の仕組みを実装するとともに、八幡平市におけるIT分野での人材育成、起業支援の実績を重ねる中で培われてきたネットワーク等を生かしながら、分野横断型の新たな産業基盤と専門人材の育成環境による「外から稼ぐ力」の源泉を確立することを目指します。

参照:2021年6月16日「八幡平市メディテックバレーコンソーシアム」の設立総会を開催いたしました

市長挨拶

開会にあたり佐々木孝弘市長(会長)からご挨拶があり、令和7年度が「新しい地方経済・生活環境創生交付金」の最終年度であり、これまでの実証成果を踏まえた本格展開の準備が重要であることが述べられました。市内では現在、交付金を活用した「8テラス」建設も進んでおり、今後の活動拠点としても期待されています。
また、今年度を「実証から本格実装への転換期」と位置づけ、会員や関係者と力を合わせ、地域医療やICT活用によるまちづくりをさらに推進していく意欲を表明しました。

令和6年度事業報告

(1) 遠隔診療・見守り融合DX基盤の社会実装事業の企画、実施、支援
【目的】Hachiを活用した遠隔診療・見守りの社会実装メソッドの確立
【内容】地域の高齢者をモニターとして、遠隔診療・見守りの実証実験を実施
  ・モニター数:20人
  ・遠隔診療実施
  ・スタッフによる訪問サポート実施(遠隔診療分野と重複)
  <計画KPI①>遠隔診療によって医療アクセスを確保することができた患者数
  目標:150人 実績:123人
  田山診療所のオンライン診療19回、安代診療所3回
  <計画KPI②>遠隔で無事見守ることができた参加者の割合
  目標:90% 実績:90%(達成)
  目標:遠隔診療DtoPwithN直後のレベル3.5飛行を活用したドローン医薬品配送 
     田山診療所隣地へのドローン離発着ポート設置
  実績:往復約8km配送1件 往路飛行時間11分、復路飛行時間12分(達成)

【課題】
  ・遠隔診療の実施拡大
  ・ドローン配送レベル3.5飛行であるが、現状は鉄道線路上空通過時に工事管理者の立会いを求められる。
  ・機械損料や上空LTE通信費等、サービス維持コストが従来輸送方法と比較した場合、高額である。

(2) 前項の推進に係る AI・ICT人材育成事業の企画、実施、支援
【目的】スパルタキャンプによる人材育成
【内容】プログラミング言語等の講義
 ・Pythonを使用したCLI、Webアプリケーション開発(8回)
 ・Laravelを使用したWebアプリケーション開発(8回)
 ・Swiftを使用したスマートフォンアプリケーション開発(8回)
 ・新規事業開発手法等(9回。個別面談多数)
 ・先輩起業家、先輩移住者による講話(6回)
 ・懇親会の開催(3回)
 ・エントリー数
  Python編:73名(男性︰65名、女性︰8名)
  Laravel編:45名(男性︰40名、女性︰5名)
  Swift編:39名(男性︰34名、女性︰5名)
 ・受講者数
  Python編:15名(男性︰15名、女性︰0名)
  Laravel編:13名(男性︰11名、女性︰2名)
  Swift編:8名(男性︰7名、女性︰1名)

  ・告知動画再生回数 2.8万回(累計138万回)

<計画KPI③>育成したICT人材からプロジェクトに参画した数
  目標:12人(+4) 実績:12人(達成)
  ・スパルタキャンプ受講後、地域おこし協力隊への申し込み4名(2名合格)
  ・スパルタキャンプ受講後、法人登記検討中2〜3名

【課題】
  ・燃料費高騰に伴う宿泊費の上昇
  ・スパルタキャンプ参加者の市内企業就職における賃金の低さ
  ・事前学習の実施状況による理解度の差
  ・講座開催順の問題(Pythonが人気)

(3) コンソーシアムが実施する事業への会員等の参加の促進
【目的】協力企業や自治体の拡大に向けた周知活動
【内容】周知イベントの主催及び情報発信、寄稿等
・ICTフェアin東北にてみまもりサービスHachi出展 R6.6.11
  ・日本尊厳死協会東北支部主催安比高原公開講演会 公演 R6.5.18
・八幡平市メディテックバレーシンポジウム R6.11.6
・各種企業、大学への参加促進のための打ち合わせ等

【課題】
  ・今年度5社加入したが、更なる会員拡大

(4) コンソーシアムが実施する各事業の相互連携に関する調整
【目的】各分野事業で連携を取り、より高い成果を挙げる
【内容】理事会による事業の進捗管理
  ・第1回理事会 R6.8.1 多目的ルーム2
  ・第2回理事会 R6.10.29 多目的ルーム1
  ・第3回理事会 R7.1.21 ミーティングルーム2−1
  ・第4回理事会 R7.3.19  3階理事者控室

【課題】
  ・特になし

(5) その他、コンソーシアムの目的を達成するために必要な事業
【目的】市民向け広報活動、事業の外部評価
【内容】市内勉強会開催、研究機関による事業評価
・健康セミナー(名称:勉強会):2回
・市内医療機関への事業拡大に向けた打ち合わせ、実証実験など
・和洋女子大学、広島県立大学などの研究機関による八幡平市内の視察及び学術的評価
・安比高原障害者スキーでのHachiの紹介
・仙台防災未来フォーラム2025にてHachiの紹介
・テレビ東京:ニッポン!こんな未来があるなんて(R6.7.15、R7.2.3)
・テレビ東京いいね!じゃぱん(R7.3.1、8)
・報告書:一式

【課題】
  ・一般ユーザー基盤の拡大を促進するための宣伝戦略の模索
  ・近接する研究施設との協働の可能性の探求

令和6年度収支決算について

会計基準に則り適切に処理されていたことが報告されました。

令和7年度事業計画(案)について・抜粋

(1) 遠隔診療・見守り融合DX基盤の社会実装事業の企画、実施、支援
【目的】
Hachi等のアプリケーションを活用した遠隔診療・見守りの社会実装メソッドの確立

【前年度の課題】
・遠隔診療の回数拡大

【修正ポイント】
■診療基盤システム構築
・目安として250名を対象とした遠隔診療による医療アクセス確保
・オンライン診療への貢献度の向上を模索
・大阪万博への出展
・八幡平消防署と連携した防災訓練

■遠隔見守り基盤システム構築
・見守り実施人数及び地区の拡大
・健康活動促進に向けた検討
・4年の活動で見えてきたHachiの課題を解決するために、血圧遠隔管理システムの社会実装。

■田山地区での医薬品ドローン配送
・DtoPwithN直後の遠隔ドローン操縦「レベル3.5飛行」活用に関し、田山診療所発のフェーズフリー空路(最長1年毎更新)の複数ルート確保を目指す。
・ドローン配送体験希望者を対象地域で公募し、ユーザーの声を増やす。
・配送コスト・利便性等の比較を行い、社会実装への道筋を立てる。

<計画KPI①>遠隔診療によって医療アクセスを確保することができた患者数
  目標:目安として250人(+100人)
  計画KPI② 遠隔で無事見守ることができた参加者の割合
  目標:95%(+5%)


(2) 前項の推進に係る AI・ICT人材育成事業の企画、実施、支援
【目的】
スパルタキャンプによる人材育成

【前年度の課題】
・燃料費高騰に伴う宿泊費の上昇
・スパルタキャンプ参加者の市内企業就職における賃金の低さ
・事前学習の実施状況による理解度の差

【修正ポイント】
① 宿泊施設の利用についてのアナウンス
② 開催時期変更の検討
③ やりがいのある仕事の確保
④ 事前学習の進捗状況の可視化
⑤ 講座開催順の変更

(3) コンソーシアムが実施する事業への会員等の参加の促進
【目的】
協力企業や自治体の拡大に向けた周知活動

【前年度の課題】
・今年度5社加入したが、更なる会員拡大

【修正ポイント】
・他自治体への周知とニーズ調査
・時期プロジェクトに向け、新たなプレイヤー獲得に資するメディア露出の促進

(4) コンソーシアムが実施する各事業の相互連携に関する調整
【目的】
各分野事業で連携を取り、より高い成果を挙げる

【前年度の課題】
・特になし

【修正ポイント】
・特になし

(5) その他、コンソーシアムの目的を達成するために必要な事業
【目的】
市民向け広報活動、事業の外部評価

【前年度の課題】
・一般の利用者拡大に資する告知手法の検討
・近隣研究機関等との連携

【修正ポイント】
・学術機関との連携強化を図る 

令和7年度収支予算(案)について

令和7年度の収入・支出予算額は 33,330,000円となります。

役員変更について

全員留任となりました。

規約の変更について

本コンソーシアムは、社会の変化や事務局の運営体制の見直しを踏まえ、より明確かつ円滑な運営を実現するために規約の改正を提案いたしました。本改正案は理事会にて協議の上、今回の総会にて承認されました。

和洋女子大学 天谷先生の発表

今回、前回の理事会で新たに入会されました和洋女子大学の天谷先生がご出席され、自己紹介とHachiを使った研究の概要をご説明していただきました。

最後に

八幡平市メディテックバレープロジェクトは、集大成となる5年目の最終年度を迎えました。
これまでの歩みを大切にしながら、今年度も一歩一歩着実に挑戦を重ね、持続可能な未来への道筋を築いてまいります。